建物の抜本的な暑さ対策の必要性その18
断熱材と輻射熱
高断熱住宅でも、建物内の温度は相当に上昇します。
そして、日が沈んでからは、外はそれほど暑く感じないのに、建物内は暑いままということが起こります。
その原因は、断熱材と輻射熱の関係にあります。
断熱材は輻射熱の90%程度を吸収し、やがて放熱します。
断熱材が反射出来る輻射熱は、10%程度に過ぎないのです。
また、断熱材は「熱伝播遅効型熱吸収材料」と呼ばれます。つまり、熱を吸収することで、熱が伝わる時間を遅らせるという材料なのです。
ですので、断熱性能を上げる、高断熱にするということは、吸収する熱量が増えることと成り、冷めにくくなるということでもあるのです。
だから、日が沈んだ後は、無断熱の外のほうがよっぽど涼しいとなるのです。
「暑さの多くが屋根面から押し寄せる」「そのほとんどが輻射熱」「断熱材は輻射熱のほとんどに対処出来ない」、これが壁より天井の断熱を強化しているにもかかわらず、2階建てであれば2階のほうが圧倒的に暑くなる原因なのです。
しかしそれは、2階だから暑いのではなく、屋根の直ぐ下の階だから暑いのです。
ということは、平屋建ては家全体が暑くなりがちになるということでもあるのです。
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